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ナイフ・エンジェル – 10万本の刃物でできた天使像

「私の鉄工所にあるリソースを使って、反暴力における社会的意識を、前面に押し出すことができないだろうか」 英国鉄工所(British Ironwork Centre)のクライブ・ノールズ氏は、ナイフ・クライムをめぐるドキュメンタリーを見た後、壮大なプロジェクトの実行を決意した。 数々の努力と協力によって完成した「ナイフ・エンジェル」は、 10 万本のナイフで作られた巨大な天使像 ( 27ft / 8.2m 、 3.5ton / 3500kg )で、英国初の「暴力と攻撃に反対する国家記念碑」となっている。 ヘレフォード大聖堂前に設置された直後のナイフ・エンジェル(6月14日) 彫刻家は、 アルフィー・ブラッドリー氏 。制作には 2 年が費やされ た。 匿名のナイフ・バンク これら、約10万本のナイフは、 英国内の43の警察署が実際に押収していたもの と、各地に設けられた200の ナイフ・バンクに匿名で提供されたもの だ。 回収されたナイフの約3割には、血などの体液が付着していたそうだ(一本ずつ消毒してから制作に使用された)。 匿名でナイフを手放すことができるため、当事者たちに、暴力を放棄するきっかけが与えられているのだ。 この天使像は、ナイフ・クライム(刃物による犯罪)や、あらゆる形態の暴力・攻撃の問題に対する意識を高め、社会変革の重要性を確固たるものにするため、そして、そのような暴力的で軽率な行動によって失われてしまった命を追悼するために、デザインされた。 犠牲者の家族に呼びかけたところ、 80 以上の家族が、ナイフにメッセージを刻むことを希望したそうだ。これらは翼の部分に使用された。 ANTI-VIOLENCE TOUR 「ナイフ・エンジェル」は2018年からイギリス中を巡回し、 ‘Save a Life, Surrender Your Knife(ナイフを手放し、命を守ろう)’ というキャンペーンのもと、社会の 意識向上 や、子どもや若者、大人への「 教育 」に焦点を当てた変革活動を率いている。 全国反暴力ツアー(NATIONAL UK ANTI-VIOLENCE TOUR)の一環として、すべての開催地は、「ナイフ・エンジェル」を使った、28日間の集中的な教育ワークショップやプログラムを実施することが求められている。 開催地は、難しいテーマ(「攻撃的な行動」、「凶...

イギリスにおけるナイフ・クライム(刃物犯罪)の実情

比較的安全な地域も多いイギリスだが、刃物による犯罪は世界的に見ても多く、社会問題となっている。 イングランドとウェールズにおいて、2020年9月までの1年間に警察が記録した「ナイフや鋭利な道具を使った犯罪」は、47,119件だった。 出典:  Office for National Statistics – Crime in England and Wales: year ending September 2020 – 7. Knife or sharp instrument offences 首都ロンドンでは、今年も半年で既に20人が刃物で殺害されている。 2020年に発生した刺殺事件は71件 だ 。 ロンドンの路上では、毎日、平均 10 人が刃物所持で逮捕 されている。 カウンティライン・トレード イギリスにおけるナイフクライムの多くが、ギャング同士によるものだ。 背景にあるのは、ドラッグ市場。 ロンドンで問題となっている 「カウンティライン・トレード」 とは、都市部の売人が、子どもやその他の弱者に、より地方にいる顧客へ麻薬を運ぶことを強要するものだ。 国家犯罪庁の推計によると、1,000以上の「カウンティー・ライン」があり(1年で40%増加)、年間18億ポンド(約2,757億円)の利益を上げている。 カウンティライン・ギャングは、主に家庭の崩壊した少年たちを、「金銭」、「名誉」、そして問題を抱えた家庭生活では不足しがちな「帰属意識」を与えることによって、犯罪の世界へ誘い込んでいる。 コカイン使用者による犯罪助長 これらは決して、ギャングや貧困層である彼らだけが起こしているわけではない。 中流階級のコカイン使用者が、この暴力的な争いを助長している と言われている。 警視庁のクレシダ・ディック長官は、 「裕福なユーザーによるA級麻薬の需要が高まっていることが、暴力的なギャング犯罪の急増につながっている」 と指摘している。 これは重要な指摘だと思う。 コカインなどの薬物については、依存性や健康面での議論が多くなされるが、そういった直接的な影響だけでなく「間接的に殺人に関わっている可能性がある(高確率で)」と考えてみると、また見え方が変わってくるのではないだろうか。 また、科学的・医学的に安全が認められるものについては、合法化を進めることによって、犯...

ランソニー修道院/ブレコン・ビーコンズ国立公園

ランソニー修道院/ブレコン・ビーコンズ国立公園 ランソニー修道院 イッスイ教会のあとに訪れたのは、ランソニー修道院(Llanthony Priory)。 ここは、 12 世紀に建てられた修道院で、今はほとんどが廃墟となっている が、一部は ホテル として使用されている。(ホームページにある、上空から撮られた映像をぜひ見てみてほしい) 螺旋階段を発見したと思ったら、数段しか残っていなかった 緑に茂った絨毯に敷き詰められているが、所々に、かつての床が顔を覗かせている ハテラル・ヒル 来た道の奥にランソニー修道院が見える ランソニー修道院の周りには、ブレコン・ビーコンズ(Brecon Beacons)と呼ばれる山脈が広がっている。 ブレコン・ビーコンズは、ウェールズに3つある国立公園(National Parks)の一つでもある。 多くの丘と山からなっており、南ウェールズで最も高い山「ペン・イ・ファン」が含まれるが、今回私たちが登ったのは「ハテラル・ヒル(Hatterrall Hill)」という丘だった。 確かに「山」というには容易なコースだったが、「丘」と思ってあまりに軽い気持ちで行くと大変かもしれない。 ちなみに、この辺りの丘と山一帯は「ブラック・マウンテン」と呼ばれている。 途中、いくつかの源泉もあり、飲んでみるととても美味しかった 突如、不自然に散らばっている石。その昔、ここに建物があった痕跡かもしれない 広範囲に行き渡るヘザーも美しい。 11 月に訪れた ニューフォレスト のヒースランドも、今はこうなっているのだろうか ボーダーラインに立つ義叔父 頂上まで登ると、そこはウェールズ/イングランドの国境。 絶景です。 ウェールズからイングランドを見下ろす 泥炭 泥炭(Peat/ピート)とは、枯れた植物が堆積したもので、石炭のように燃料にもなるらしい。 気温の低い湿地帯でできるものなので、日本では北海道、イギリスではスコットランドでよく採れるそう。 スコッチ・ウイスキーを作る工程で重要な役割を果たしているのも、この「ピート」だ 。 泥炭は、大気中の二酸化炭素を吸収する。 なので、たとえば泥炭地が破壊されると、大量の二酸化炭素が空気中に放出される。余談になるが、これは特にインドネシアで問題となっているようだ。 ・・・ 頂上から見渡せるのは、美しくて「広い」景色。綺麗な空...