イギリスの母の日は、今でこそアメリカの影響で ‘Mother’s Day’ の呼称が一般的だが、伝統的には ‘Mothering Sunday(マザーリング・サンデイ)’ である。
17世紀に始まったとされ、元々はキリスト教徒が、四旬節(レント)中の第4日曜日に「母」である教会を訪れるという、宗教的な祝日だったらしい。
かつて ‘Mothering Sunday’ は、「自分が洗礼を受けた教会や、子どもの頃に通った教会に戻る」日であり、故郷に戻ることで、家族が再会することを意味していた。やがて、大きな家で使用人として働いていた若者たちには、その日に休日が与えられるようにもなった。彼らはこの日を利用して母親を訪ね、雇い主からもらった食べ物や、お下がりの衣類などをプレゼントすることができた。それが現在の風習につながっているのだ。
time and date: Mothering Sunday in the United Kingdom
日本でも、昭和初期に大日本連合婦人会が香淳皇后の誕生日を「母の日」とするなど、過去にいくつかの母の日が存在したようだが、1949年頃からはアメリカ式に倣っている。
アメリカの母の日は、1907年、アンナ・ジャービスという女性が、亡き母を偲んで教会で記念会を開いたことが起源となっている。そこで彼女は、参加者に「白いカーネーション」を贈ったのだ・・・
アンナ・ジャービスが5月の第2日曜日を選んだのは、彼女の母の命日である5月9日に常に近い日にするためだったという。
BBC: Anna Jarvis: The woman who regretted creating Mother’s Day
(上記事では、母の日が商業化されることを拒んだアンナ・ジャービスの軌跡についても書かれている)
きっかけは色々だが、母への感謝と労いを表したいという思いは世界共通である。イギリスのマザーリング・サンデイも、元々は「教会に帰る」日であったが、いまでは事実上「(人間の)母に感謝する」日となっている。多くの国がアメリカ式の「5月の第2日曜日」としている中、そこだけは譲れないイギリス(2021年は3月14日だった)。
各国の母の日を掲載してくれている花屋さんのページはこちら。(韓国では日本の母の日の前日に「父母の日」があるようだ)
Clare Florist: International Mothers Day
Manami
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